定時に

あいつは僕を殺す人種だ


君が眼鏡をかけてくる日は決まって情報の授業があるね
一番嫌いだって、通りすがりに話していたのを聞いたけど
机にべったり体をひっつけて
だるそうに目をキョロキョロさせる
そういう君が一番綺麗だから、嫌いでいてくれて良かった

綺麗な人の笑顔はあんまり好きじゃないんだ
君なんか特に、笑わない方が素敵
化粧が上手だから

君をたまたまツイッターで見かけたのが2ヶ月も前で
わざわざ別のアカウント作ってフォローしたんだ
すぐに返してくれた　特にコメントも無く
ツイッターのそういう距離感が僕には心地が良いので
君にもそういうぐらいの温度が一番似合うよ

君は滅多に何も言わない

じゃあ僕も言わない

君のフォロワーはひどく少なく、小規模に使っていて
僕はそういえば、カモフラージュの為に片っ端からいろんな人をフォローして
たまに君が何か言っても僕の画面には表示されない
ほとんど身内へのリプだから。

中大の経済学部のそいつは
自己犠牲をする奴が大嫌いだそうで
仕事を中途半端にする奴が大嫌いだそうで
愚痴ばかりで口も悪くて
自分自身を正義だと間違いなく思い込んでいて
ことあるごとに更新して
考えもなしに無茶苦茶なこと言って
君の親友で

僕を殺す人種だ


今日は情報だった
君は眼鏡をかけていなかった
いつもより綺麗だった
僕はツイッターを見た
いつものように
君のページを見た
今日は会えるねって
君があいつに言っていた
今日はメイクが崩れないようにと
うつ伏せることもなく
少し微笑んで携帯を覗き込んでいた


今日の君が一番綺麗だった